生かすも殺すもマルマ次第!超ディープなヨガ本『秘伝マルマツボ刺激ヨーガ』

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ

本書を読み出した、冒頭から衝撃的な内容があった。

「体のある部分」を刺激すると、病気を治すことができたり、瞑想に入ることができたり、使い方によっては人を殺すこともできるという。

著者の伊藤武氏は、この「体のある部分」に関する知識をものにするため、乞食の密教行者に弟子入りしたり、伝統武術の道場に通ったり、インドを旅してきた。

インド世界では、この「体のある部分」に関することを他言してはならない、と言われていた。

しかし、昨今、その秘密が語られるようになってきたことから、著者が二十年以上の間、研究を続けてきた「体のある部分」、つまり「マルマ」に関する知識・経験をこの一冊の本にまとめたという。

人を生かすこともできれば殺すこともできるというマルマ。人体にあるこの強力なスイッチ、知っておいて損はない。

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ」を読んでみて、その感想についてまとめていきます。

マルマ・ヨーガ驚愕の内容

本書の中では常識では考えられないような驚きの内容が数多くありました。

マルマについて、驚愕の内容を3つまとめてみます

1、マルマは生かす術にも、殺す術にもなる

著者は武術に精通しており、その中でマルマについての研究を続けていたらしい。


急所になるマルマを槍で突かれたり、刀で斬りつけられたりすれば、死に至ってしまう。


同じマルマも優しく刺激してあげれば治療することもできるらしい。

2、性行為のマルマ・ヨーガがある

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 図28[性ヨーガ]

男女のカップルが性結合しながら行うヨーガもあり、それもマルマ・ヨーガに基づくものらしい。

3、ヨーガ行者は仮死状態になる

ヨーガをやる人ならほとんどの人が知っている屍の体位(シャバアーサナ)。


その行きつくところが、みずからの意志で呼吸と心臓を停止させてしまうという「ケーチャリー」と呼ばれる荒行。

心臓停止したヨーガ行者は、死体と化して棺に納められ、土葬され、その後、遺体を掘り出してマッサージをすると、復活するという。

呼吸法で、胃や肛門といった器官でさえ、意識下で動かすことができるという。

常人には到底不可能なことを、ヨーガ行者は行ってしまう。

「マルマ」について

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 図①[『スシュルタ本集』の107のマルマと中国のツボとの対応図]

マルマは全部で107ある。鍼灸で有名な中国の「経穴」と、「マルマ」の位置はほとんどが一致すると言われています。

マルマは「点」としてだけでなく、広い面や帯状に伸びるものもあるということ。

人体には、目に見えないエネルギー(以下プラーナと表記)が流れており、そのプラーナの集積地点がマルマ。

悪しき生活習慣や身体の異常は、プラーナの流通が妨げられたり、不足している状態で、マルマに異常として蓄積されていきます。

プラーナの流れを正常にしていくため、マルマに働きかける。それが、インド武術がルーツの秘伝「マルマ・ヨーガ」。

マルマは「からだ」と「こころ」の交流点

マルマは「からだ」の一部であるとともに、精神機構として「こころ」ともつながっている交流点。

体幹部にある重要なマルマ、「大マルマ」と、ヨーガの「チャクラ」はリンクしているとされています。

チャクラには、「円を描くもの、回転するもの」という意味があります。

ヨーガ行者が深い瞑想状態に入ると、回転する発光体を観ると言われます。「こころ」のエネルギーコントロールをチャクラという器官が担っているのだと考えます。

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 図②[大マルマとチャクラの関係]
大マルマチャクラ
1肛門(グダ)ムーラーダーラー
2膀胱(ヴァスティ)スワーディシュターナ
3臍(ナービ)マニプーラ
4心臓(フリダヤ)アナーハタ
5首(ニーラーその他の脈管)ヴィシュッダ
6眉間(スタパニー)アージュニャー
7頭頂孔(アディパティ)サハスラーラ

ヨーガのポーズがマルマに働きかける

マルマの医学の原理と、ヨガの体位法を組み合わせたものが「ヨーガ・マルマ」

マルマやチャクラを意識したヨガのポーズを行うことで、プラーナの循環を促進させ、「からだ」と「こころ」を正常な状態にしていきます。

本書では、マルマ・ヨーガの実効性のある体位を、大きく4つに分けて紹介されています。

  • 誰でもできる簡単な体位(7種類)
  • 必須体位(2種類)
  • 基本体位(13種類)
  • 連続体位(3種類)

すぐできて現代人におすすめの体位を、本書の中から一部紹介したいと思います。

背中を思いっきり反らす!ナービ(臍)マルマ

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 図③[ナービ(臍)マルマ]

デスクワーク中心の生活をしていると、姿勢が悪くなっていることに気づかない。

姿勢は「こころ」にも影響を及ぼします。

ネガティブなこころに気づいた時は、思いっきり背中を反らす体位を行います。

この体位を行うことで、肝臓や内臓が刺激され、血液とプラーナの流れが良くなります。

1、胸の前で合掌。
2、息を吸いながら合掌した手を上げ、背中・首を後ろに反らせる。
3、ナービ(臍)マルマを意識した状態で、自然な呼吸で30秒ほど静止。
4、息を吐きながら、元に戻す。

首を動かす クリカーティカー(首と頭の接点)マルマ

秘伝マルマ ツボ刺激ヨーガ 図⑤[クリカーティカー(首と頭の接点)マルマ]

スマホやパソコン作業をしていると、気づかずに、何時間も経っていたという経験は誰しもあるかと思います。

同じ姿勢をとり続けていると、首の疲れが溜まりやすくなる。

首を動かすことで筋肉のコリを和らげます

私も約30分間隔で、首を動かすようにしています。

中国では、「頭の病気はこのツボで治療せよ」と言われており、頭痛・寝違えなどにも効果があると言われています。

1、クリカーティカー(首と頭の接点)マルマに意識を集中。
2、頭を前に曲げて顎を胸元に寄せる。
3、首をできるだけ後ろに曲げて、10秒ほどキープ。
4、首の右後ろ、左後ろにも曲げる。
5、右へ2回、左へ2回ゆっくり時間をかけて回す。

まとめ

本書では、この他にもマルマを刺激するたくさんの体位が紹介されています。

そのほかにも、以下のような項目が紹介されています。

  • マルマ・マッサージ
  • ヨガ呼吸法
  • イメージ瞑想術

インド武術に精通してきた著者が、体験や研究・考察が非常に深く、本当に価値ある一冊だと思います。

「秘伝マルマ」と書籍タイトルにあるように、私もはじめて「マルマ」という存在を知って、自分の体に対して、より深い興味を持ちました。

色々情報が溢れる世の中ですが、この情報はなかなか知ることができないと思います。

ヨーガ好きな人、人体の不思議に興味がある人には、おすすめの一冊!!

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